姿を追つた


追ゐ風に乗り
騎羅と光るその面と共に
いのふへは走つた

その姿は多分
そこらの一人前の走者とは
比べものにならぬくらひ

綺麗だつたに
違ゐなひ



一際高ひ
竜丘にたどり着けば
その頂に登り
空虚を見る

その景色は
どうだらう
いのふへよ、
今までのどんな景色よりも
輝ひてゐたと
思はぬか


私は思つたよ
心の底からな


竜丘から見る
その刹那、

たんぽぽは
風に揺れて
いのふへを包んでいた


たんぽぽの綿毛は
いのふへを包んでいた





たんぽぽ共よ


竜丘の 頂の上で 刹那を見
咲き乱れんや たんぽぽ共よ





いのふへは振り向きざはに
言つたのさ

"嗚呼、俺は死にたくなひ"

と、一言を。



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