鳥が羽ばたき朝を告げる。嗚呼、今日も朝がくる。
「即位、されたみたいですよ…っと、はい。アールグレイでよろしかったですか?」
朝の紅茶。うまい。珈琲なんてものも外から入ってきたもののやはり紅茶がうまい。優雅な朝の一時に入ってきたのは不愉快なニュース。友人兼家来のこの言葉に多少苛立ちを感じる。
「はい?」
少々声をあげてしまったことに少しだけ負い目を感じた。ざらにも俺は一国の王であるというのに。
「マリアさん」
「…マリア?」
「はい、マリアテレジアさん、即位したみたいですよ」
…は、はははは……そうか、マリアがか…マリアが………
「…」
「…なんですかその不気味な微笑みは、王」
「…ちょっと、でかけてくるよ」
「え、あ、はい。気をつけていってらっしゃいませ」
飲みかけのアールグレイをそのままにして目の前にいる友人兼家来(いい加減名前を出すべきか)に不気味な笑みを浮かべながら勢いよく部屋を飛び出した。バタンと大きな音を立ててドアを閉めたのと同時に俺は長い廊下を全速力で駆け出した。
え、え、え、ちょ!!!!冷静になれ俺!!へ?即位?即位ってあの即位??!なあ、なあ!!ちょ、待てよ!!マリアァァァ!!!
とりあえず城を出たものの、どうするべきか俺は。……行くか。いや、行くのか?………行くか、うん、行こう。冷静になれ、俺。…行こう!マリアのもとへ…!
「あら?フリードリヒ公じゃありませんの?」
「/(^O^)\」
「なんですのその顔は…?」
「マリアァァァ!!」
なんで?なんでこいつがここにいる!!!おい、おまえ、おまえだよ!!なんでここに…!!
「マリア、お前…」
「あら?フリードリヒ公、あなた、そんなはしたない顔をして…」
「…いや、そうじゃなくて…おまえ…即位、したんだってな」
「あら?知ってらしたの?今日はそれをあなたに伝えにきたのに」
淡々とそれでもにこりと笑ってマリアは言う。本当だったんだな、即位。
………
「認めねぇぞ」
「あら?」
「俺は、認めねぇからな」
「…」
「お前に一国が務まるかよ…それに、もうお前を…助けられねぇじゃねーかよ…………な、何笑ってやがる…」
「ふふ、」
「っくそ…もういい、帰る!!」
言い残して城に戻る。出かけると言ってから10分も経ってなかった。
「王」
「なんだ?」
「例の手紙、マリア女王に出しておきましたから」
「ああ、ありがとう…それで?どうなってる」
「占領してます」
「…ふっ、そうか、よくやった」
「王、今日機嫌いいですね」
「そうか?」
愛するマリアテレジア女王へ。あなたの即位、認めません。したがってシュレジェンを占領しました。返してほしければ、王位を辞退しなさい。それか俺の王妃となりなさい、以上。フリードリヒ2世より愛をこめて。
サンスーシ宮殿にて、
※実在した人物ですが性格やストーリー等は捏造です(′・ω・`)←
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