「あれ?髪、切った?」
それは私がまだ少し長かった髪を短く切ってから2・3日経ったぐらいの、薄暗い冬のある日だった。天気は曇り?だったのかもしれない。だから薄暗かったんだろうな、多分。
「もったいない、なんで切った?」
後島があんまり優しく笑ってちょっと残念そうだったもんだから少しだけ切ったことを後悔した。
(今更、なんだけど)
「んー?気分転換…とか?」
「そっか。いいね、気分転換」
私が後島を想うことをやめたのは何時(いつ)だったか…考え始めると気が重くなるけど、本当、何時だったんだろう。あれからすごく長い時間が流れた気がする。私はうまく後島のことを忘れられたのだろうか。
「…」
後島がやけに私を見つめる。いやでも照れる。あたりまえと言えばあたりまえなのかもしれないけど。
「何?」
そういえば後島を忘れられたきっかけは近池のおかげだったのかな、と思い出す。一番大切な友人だからこそ、譲らなきゃって思ったのは本当だし、近池には幸せになってほしかったから。
「いや…うん、何だ?……えっと…」
後島は何か言いたげだった。じれったいな。そう思ったが待つことにした。
「…何?」
「可愛いよ、短いの」
(ずるい)
彼女いるじゃんか。近池という彼女がいるじゃんか。ずるい。ズルイ。ズルイ。ずるすぎる。私はこんなにも我慢したっていうのに。ずるいよ、後島。
夢の中でそう言った後島。 夢から目覚めて落胆した私。
ねぇ、どっちが ずるいんだろう?
誰か教えてよ、
(嗚呼、多分私が、)
夢の中で何時も
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