雷が嫌いだった。

あの鋭い音と蒼い光が。一番嫌いだった。雷以外のものはなんだって受け入れられた。雷だけはどうしても駄目だった。恐れていたのかどうかは分からない。嫌いだったのは確か。人は弱虫と笑った。指を差して笑った。そんな奴が御館様を守るなんて可笑しいと笑った。嫌いなものは嫌い。それの何が悪いのかなんて分からなかった。



炎が嫌いだった。

熱い、あつい、アツイ。全てを焼き尽くしてしまう勢いだ。この身体だけじゃなく、心も感情も全て焼いてしまうんじゃないのかと恐れた。ゆらゆらと揺れる其れはやっぱり全てを焼き尽くし、そして奪って行った。人は愚かだと笑った。指を差して笑った。そんな奴が武士を名乗るなんて可笑しいと笑った。嫌いなものは嫌い。何が悪い。



出会ったのはいつだったか。

見方につけたものが全く違った。苦手なものは互いの見方に等しかった。言うまでも無く、一瞬にして嫌いになった。それから敵方となった。お互いが通じ合うことはなかったものの、どこか似ている所があったのか、刃を交えることをお互いに望んだ。其の時だけは通じ合えている気がした。



守るものは同じだった。

いつだってそれは、己自身を守るのではなく其の他だった。そういうところはお互いに気に入っていた。一人は馬鹿みたいに熱く突っ走る。もう一人は冷静に見極める。互いの長所と短所を認め合えた。だが見方になることはなかった。



死ぬ時は怖くなかった。

正々堂々と戦えて死ねた。いい死に方だったと誇りに思えた。悔いはなかった。あったとすれば最初から互いに敵方じゃなく見方で出会いたかったということだけ。それだけ。



「じゃぁ、」

「またな」


どちらともなく唇から言葉を発し空気に乗せれば、それが最期だった。
幸せな死に方だな、と双方とも思った。






協定




それから、雷と炎は、味方になった。







政宗様と幸村イメージなんです、とか恥ずかしくて言えない⊂( ^ω^)⊃←まて
(080326)

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