
さっきから鳴り続けている携帯の着信音に脳内が支配された丁度その頃 水槽の中の熱帯魚もコンセントを抜いた作動していないポンプで支配されていた さらに昨日の昼から何も食べていない腹の中は空腹で満たされ 照明を付けていない静かな部屋は酸素で満たされていた どこからか聞こえてくるピアノは相変わらず不協和音を続けていて 嫌いだと思っていた筈の蜜柑の香りと善く合わさった 乾いて水分を失った唇を少しだけ舐めたら血の味がした 潤いを保ったままの観葉植物の光合成 酸素を求めて息をする身体 羨んでいる眼 彷徨う性
其れが全部合わさって私に向かってきたとき ”わたしはあなたをころしてあなたはわたしをころして” 一から十まで数えて八で殺して 九で酸素を求めて苦しんで 十で私を求めて死んで さらにもう一丁、 百まで数えてなんとか蘇生して そしたらわたしはあなたをあいすわ
(090926) |